かるがもコラム ~ワクチンのこと~


B型肝炎ワクチン

 

2016年秋から定期接種が始まったB型肝炎ワクチンの紹介をします。

 

B型肝炎ウイルスは、世界中で感染者が増え続けている肝臓病の原因ウイルスです。
世界中で3億人の感染者がいて、毎年60万人がこれによる病気で亡くなっています。

日本でも約130万人の感染者がいると推定されていて、その10~15%は治りにくい肝臓病(慢性肝炎や肝硬変、肝がんなど)になります。

またウイルスの悪さが始まる前(キャリア)のうちは、自分が感染しているのに気づいていない人が多いのが実情です。

子どもに対しての感染対策として、以前からB型肝炎ウイルスをもつお母さんから生まれた赤ちゃんには、お産時の感染を防ぐ対策がとられていて、一定の効果を挙げています。

 

それでも、子どもの感染者がゼロにはならないのはなぜか。

 

最近の様々な研究によって、唾液・汗・涙など身近な環境からも感染することが分かってきました。

身近な感染例としては、
「保育園で、保育士がB型肝炎のキャリアだったことでの、園児と職員への集団感染」
「家族内の感染(おじいちゃんから孫へ)」
「運動部での汗からの集団感染」などの報告があるようです。

お父さんがキャリアの場合、4人に1人の赤ちゃんが感染してしまうという報告もあります。

 

小さなお子さんは特に免疫が弱いため、感染すると急性肝炎を起こしたり、ウイルスが住みつくキャリアとなりやすいことが分かっています。


多くの国とくに先進国ではすでに定期接種になっています。
日本でも定期接種の対象年齢が拡大されることが望まれますが、いつどこから感染するか分からない感染症です。
できるだけ早い時期の接種をお勧めします。

生後2ヶ月から開始したい予防接種ですが、何歳から開始しても一定の効果はあります。
特に人との接触の多くなる保育園や幼稚園の入園前までには接種を済ませておくと安心です。

 

看護師 荒井

院長 江田


おたふくかぜワクチン

 

おたふくかぜワクチンは、任意接種ですが大変重要な予防接種です。
当院では、1歳以降にまだ未接種の方、数年後の追加接種をお忘れの方には、積極的にお声かけしています。


おたふくかぜは「流行性耳下腺炎」と言います。
病原体はムンプスウイルス。
2歳以降にかかり、耳や顎の下の唾液腺が腫れや痛み、発熱を引き起こします。


数年ごとに流行する年があり、昨年(2016年)が流行年で藤沢市内でも学級閉鎖が出たくらいの流行でした。


昔はみずぼうそうと同じように、感染しているお子さんからもらっちゃおう、などと言われていましたが、
医学が進歩した今は、お勧めできない危険なことです。

 

その理由は、おたふくかぜの「合併症」がとても深刻な場合があるからです。

無菌性髄膜炎、睾丸炎、卵巣炎…色々とありますが、中でも問題視されている合併症は「難聴」です。


難聴になると治療法がなく、耳の聞こえは治りづらいものです。
そして難聴になる割合がとても高く、500~1000人に1人と言われています。


より副反応が少ないワクチンの開発が進めば、定期接種化(無料)されることが期待されますが、現時点でいつから開始されるか見通しは全く立っていません。

接種をする場合には、低年齢のほうがより副反応が起きづらいというデータがあります。
健康な方々には1歳になったらすぐに1回目の接種、3~5年後に追加接種をお勧めします。

 

早く日本からおたふくかぜの流行がなくなること、合併症によって難聴になるお子さんが1人もいなくなることを切に願います。

 

看護師 荒井

院長 江田