授乳相談

当院の授乳相談室について

ひとりでも多くのお母さんと赤ちゃんに笑顔で楽しく授乳をしていただきたいと考え、私たちは小児科クリニックの中で授乳相談室を運営しています。保険診療を基本とし、藤沢市はもとより近隣の市区町村からもご利用いただいています。

 

赤ちゃんを母乳で育てることは、お母さんと赤ちゃんにとって大切な共同作業であり、その大切さは科学的根拠をもって実証されてきています。しかし、授乳そのものが産後のお母さんの不安や悩みの原因になることは少なくありません。粉ミルクとの混合栄養においても、赤ちゃんに必要な粉ミルクの補足量を慎重に決めていくことで、母乳育児を長く続けることができると考えています。

 

当院の授乳相談室は、母乳育児支援の専門家である国際ラクテーション・コンサルタント認定資格をもつ小児科医師と助産師が担当します。お子さんの健やかな成長を見守りながら、希望される授乳スタイルの支援を行っています。母乳育児を希望される方はもとより、混合栄養や人工栄養の方々も相談室を利用されています。

 

授乳中の乳房トラブル(乳房の痛みやしこり、乳腺炎など)については相談日に関わらず対応可能な場合があります。お電話でお問合せください。

 

相談日 ※2019年6月現在

毎週 月曜日午前 金曜日午前午後 
(お電話にて予約をお願いします)

 

診察料

お子さん 生後8ヶ月まで保険診療 それ以降は自費診療(税込3000円)

お母さん お子さんが生後5ヶ月まで保険診療 それ以降は診察料なし

 

注1)お母さんの乳房トラブル(乳腺炎、乳頭亀裂など)に対しては、生後6ヶ月以降も保険診療で診察いたします。
注2)お子さんの月齢を問わず、以下の場合は自費となります。
・卒乳や断乳のご相談
・添い寝・搾乳方法・補完食のすすめ方(補完食開始前)の相談

・母乳分泌増加を目的としたドンペリドンの処方

 

持ち物

母子手帳・お母さんとお子さんの保険証・お子さんの小児医療証

 

相談の流れ
 ≪初めての相談≫
問診に始まり、授乳されている様子の観察と必要に応じた診察を行い、今後の方針をお母さんと一緒に考えます。初めての相談はおよそ1時間かかります。

 

 ≪2回目以降の相談≫
前回の受診後どのように過ごされたかお話を聞き、今後の方針をお母さんと一緒に考えます。相談内容によっては授乳している様子を見せていただくことがありますので、お子さん連れでの受診をお願いしています。

 

相談例  

赤ちゃんの体重の増えが心配

母乳が足りない感じがする・粉ミルクの足し方が分からない
母乳の分泌を増やしたい
乳首に傷があり、授乳するときに違和感や痛みがある
乳腺炎を繰り返している
お母さんが薬を処方されたが、授乳を続けてよいか迷っている
母乳がたくさん出て困る(赤ちゃんが飲みづらい お母さんが苦痛を伴う)
赤ちゃんの吸い付きが良くない・授乳をいやがる
ダウン症候群のお子さんの授乳について
双胎(ふたご)の授乳について
授乳と離乳食のバランスについて
搾乳について
職場復帰の相談
卒乳の時期や方法について


乳腺炎と乳房マッサージについて
乳腺炎は、作られた母乳がうまく流れないことにより引き起こされます。相談室ではお子さんが母乳を飲む様子を見せていただいて、飲み方や抱き方などに改善する必要があるかを一緒に考えたり、お母さん自身がセルフケアできるような情報・方法をお伝えしていきます。細菌感染が疑われる場合には、内服薬を処方する場合もあります。
当院では、乳腺炎に対する乳房マッサージは原則的に行っておりません。マッサージにより乳腺炎を改善させるという科学的根拠がないため、優先順位が低いと考えているからです。

 

母乳分泌を増やすための乳房マッサージについて
母乳分泌を増やすために乳房マッサージを行うことには科学的な根拠がないため、原則的に行っておりません。


かるがも授乳相談室のコンセプト

 

それぞれの「授乳」があります
授乳とくに母乳育児は、ひとつの正解があるわけではありません。10組のお母さんと赤ちゃんがいれば10通りの母乳育児があります。私たちはお母さんとのコミュニケーションを大切にして、それぞれのお母さんと赤ちゃんに合った授乳の方法を一緒に考えていきます。お母さんご自身が、いくつかの選択肢の中から自分に合った母乳育児を実践できるようにお手伝いします。

 

科学的根拠に基づいた母乳育児支援を行います
国際認定ラクテーション・コンサルタントの資格を持つ小児科医師と助産師が連携して支援を行います。相談室では、母乳育児に関する正確な(科学的根拠に基づいた)情報をお伝えし、お母さんだけでなく赤ちゃんの健康状態も一緒に確認させていただきます。

 

混合栄養のご相談もお受けします
私たちは、母乳育児だけでなく、粉ミルクの足し方が分からないなどの混合栄養の相談や、うまく哺乳瓶でミルクが飲めないといった人工栄養の方のための支援も行っています。

 

妊婦さんにも母乳育児についての情報を得られる機会を設けています
妊婦さんが出産前に母乳育児についての正確な情報を知っておくことは、産後スムーズに母乳育児を行うために大切なことだと考えています。そのために、定期的にベビークラスを開催し、助産師と一緒に母乳育児についての知識や考えを深めていただく機会を設けています。ベビークラスは予約制・登録制です。開催日については、ベビークラスのページでご覧いただけます。


国際認定ラクテーションコンサルタント(IBCLC)とは?
IBCLCは、母乳育児を成功させるために必要な技術・知識・心構えを持つ、母乳育児支援の専門家です。2014年末で世界101ヶ国に27.450人以上、国内では949人のIBCLCが母乳育児支援の現場で活躍しています。
詳しくは日本ラクテーション・コンサルタント協会ホームページへ


訪問授乳相談

訪問授乳相談は、外出が難しい生後1ヶ月までの赤ちゃんを対象としています。
国際ラクテーション・コンサルタントの資格を持つ助産師がご自宅に訪問し、授乳が軌道に乗るまでの支援を行います。

 

日時 ご相談に応じます (前日までにお電話にて予約をお願いします)
   ※午前10時ごろを目安にご自宅にお伺いします

 

対象 出産直後から生後1ヶ月までの赤ちゃんとお母さん

 

費用 6000円(交通費・税込)

 

相談時間 約1時間

 

訪問地域
藤沢 朝日町 藤が岡 大鋸 弥勒寺 渡内 柄沢 村岡東 西富 本町 鵠沼神明 鵠沼 本鵠沼1~3丁目 鵠沼花沢町 鵠沼橘 鵠沼桜が岡 鵠沼藤が谷鵠沼石上 鵠沼東 南藤沢 川名 宮前 片瀬 片瀬1~2丁目
(これ以外の住所に訪問を希望される場合には、お電話でご相談ください)

 

訪問授乳相談の流れ
1、問診
2、赤ちゃんの体重測定
3、授乳の様子を観察し必要な支援と情報提供を行う
4、再診の時期などを話し合う

母乳育児についての基礎知識

 

 

母乳育児がうまくいくコツ

お母さんの母乳分泌は、産後の時間経過によって少しずつ変化します。

 

出産後まもなく分泌される「初乳」は、量は少ないですが大切な免疫物質や栄養素が濃縮された黄色い乳汁です。これを赤ちゃんに飲んでもらうために、分娩直後から授乳を始めることが大切だといわれています。

 

出産後3~8日は、お母さんのホルモンによって乳汁が作られる時期です。この時期に1日何度も授乳をすると(1日8回以上が目安)乳汁を作るためのホルモンが多く分泌されるといわれています。

 

それ以降、母乳の量は母乳が乳房からどれだけ取り去られたか(赤ちゃんが飲んでいる量 + 搾乳量)によって決まると言われています。つまり需要と供給の関係です。1日に何度授乳したか、1度の授乳でどれだけ乳房から母乳が飲みとられたかがポイントです。

母乳育児を軌道にのせるためには、早いうちから赤ちゃんに必要な母乳量を上手に飲んでもらうことが大切です。特に生後まもない赤ちゃんや早産の赤ちゃんは、口が小さくておっぱいを吸う力も弱いため、上手に母乳が飲めているかどうか観察してみてください。赤ちゃんが上手に母乳を飲むには、口を大きくあけて乳輪までしっかり口に含んでもらうこと、そのためにお母さんと赤ちゃんの体が密着できるような抱き方をすることが大切です。

 

 

赤ちゃんが上手に母乳を飲んでいるサイン
◆赤ちゃんの肌つやが良く元気で、うんちやおしっこが順調に出ている
◆赤ちゃんの体重の増えが順調である(生後3ヶ月までの体重増加が日に20g以下の場合、医師の診察と授乳支援が必要です)
◆授乳のとき、赤ちゃんは大きな口をあけて乳輪まで深く乳房を口に含んで飲んでいる
◆授乳のときお母さんと赤ちゃんの体が密着していて、お母さんに乳房の痛みなどの苦痛がない

 

 

よくある相談と支援・診療内容

 

《母乳量を増やしたい・赤ちゃんの体重の増えが心配》
相談室で直接授乳をしていただき、適切な吸い方や抱き方が出来ているか観察します。一度の授乳でどれくらい母乳を飲むことが出来たか計測し、およそ1日の母乳量を推定、赤ちゃんの月齢と体重を参考にしながら必要な母乳量を飲むことができているか判断します。また、ミルクを足しながら母乳を飲ませているばあい、ミルクの量が多すぎていないか、または少なすぎていないか判断します。生後3ヶ月までの赤ちゃんは、およそ1日体重1kgあたり150ml程度授乳すれば順調に体重が増えます。吸い方や抱き方に工夫が必要な場合は、赤ちゃん人形と乳房模型を使ってお伝えします。また母乳分泌量を増やす必要があれば、授乳回数や授乳方法の工夫を提案します。
医師は赤ちゃんが元気に発育しているか診察します。体重増加の見守りが必要と判断した場合には再診の時期を検討します。(生後2ヶ月までで体重増加が1日20g以下である場合には、医師の診察と授乳支援が必要です)
様々な工夫をしたのちに、さらに母乳量を増やす希望があればドンペリドン(保険適応外)を処方することもあります。

 

《授乳時間が長い・乳房を離すとすぐに泣く》
赤ちゃんが欲しい分だけ母乳が飲みとれていない可能性があります。うまく母乳が飲みとれるように吸わせ方や抱き方を工夫する支援を行います。

 

《赤ちゃんの吸い付きが良くない・授乳をいやがる》
乳房トラブルがある(乳首に傷がある・授乳するときに違和感や痛みがある・乳腺炎を繰り返している)
赤ちゃんの吸い方が浅い可能性があります。浅い吸い方に慣れてしまうと母乳がうまく飲みとれずに授乳量が減ったり、乳腺炎の原因になる可能性があります。直接授乳を観察し、吸い方や抱き方に工夫が必要な場合は、赤ちゃん人形と乳房模型を使ってお伝えします。発熱を伴う乳腺炎が起きている場合には、医師から薬を処方する場合もあります。

 

日本の母乳育児支援について

日本では9割以上の妊婦さんが生まれてくる赤ちゃんを母乳で育てたいと考えています。母乳育児は母親と赤ちゃんの健康にとって良いことが沢山あるのだと、多くの方が理解してくださっている証拠ですね。

 

日本は古くから乳房マッサージという支援手技が根付いている国ですが、乳房マッサージは直接的に母乳分泌を増やす作用はないといわれていて海外では行われません。様々な支援先が選択できるのは良いことですが、医学的根拠に乏しい支援が提供されることがあり、結果的に母親が混乱したり赤ちゃんの発育発達に影響が出ることがあります。

 

母乳育児の支援先としては、出産施設の助産師さん、保健センターの保健師さん・助産師さん、助産院の母乳相談、母乳専門の相談室、また数少ないですが小児科併設の母乳相談などがあります。ぜひご自分の納得できる説明が受けられて、かつ赤ちゃんの発育発達も一緒に確認してくれる支援先を探してください。

母乳育児支援への取組み

 

当院では国際認定ラクテーション・コンサルタント(IBCLC)の資格を持つ小児科医師と助産師が連携して「科学的根拠に基づいた母乳育児支援」を行っています。

 

HPでの情報提供母乳育児がうまくいくコツをHP上でお伝えしています。

 

授乳相談室…授乳量が足りているか知りたい・赤ちゃんの体重が増えないなど個別のご相談は、授乳相談室(保険診療)でお受けします。

 

ベビークラス「授乳ノート」…授乳に関する情報をお伝えするクラスです。

 

湘南母乳育児支援ネットワーク…地域の母乳育児支援に携わる方々との集いを開いています。