母乳育児がうまくいくコツ

※一般の方に分かりやすいようにまとめました。医学的にやや不自然な表現がありますがご了承ください。

 

母乳育児がうまくいくコツ

お母さんの母乳分泌は、産後の時間経過によって少しずつ変化します。

 

出産後まもなく分泌される「初乳」は、量は少ないですが大切な免疫物質や栄養素が濃縮された黄色い乳汁です。これを赤ちゃんに飲んでもらうために、分娩直後から授乳を始めることが大切だといわれています。

 

出産後3~8日は、お母さんのホルモンによって乳汁が作られる時期です。この時期に1日何度も授乳をすると(1日8回以上が目安)乳汁を作るためのホルモンが多く分泌されるといわれています。

 

それ以降、母乳の量は母乳が乳房からどれだけ取り去られたか(赤ちゃんが飲んでいる量 + 搾乳量)によって決まると言われています。つまり需要と供給の関係です。1日に何度授乳したか、1度の授乳でどれだけ乳房から母乳が飲みとられたかがポイントです。

母乳育児を軌道にのせるためには、早いうちから赤ちゃんに必要な母乳量を上手に飲んでもらうことが大切です。特に生後まもない赤ちゃんや早産の赤ちゃんは、口が小さくておっぱいを吸う力も弱いため、上手に母乳が飲めているかどうか観察してみてください。赤ちゃんが上手に母乳を飲むには、口を大きくあけて乳輪までしっかり口に含んでもらうこと、そのためにお母さんと赤ちゃんの体が密着できるような抱き方をすることが大切です。

 

 

赤ちゃんが上手に母乳を飲んでいるサイン
◆赤ちゃんの肌つやが良く元気で、うんちやおしっこが順調に出ている
◆赤ちゃんの体重の増えが順調である(生後3ヶ月までの体重増加が日に20g以下の場合、医師の診察と授乳支援が必要です)
◆授乳のとき、赤ちゃんは大きな口をあけて乳輪まで深く乳房を口に含んで飲んでいる
◆授乳のときお母さんと赤ちゃんの体が密着していて、お母さんに乳房の痛みなどの苦痛がない

 

 

よくある相談と支援・診療内容
◆母乳量を増やしたい・赤ちゃんの体重の増えが心配
相談室で直接授乳をしていただき、適切な吸い方や抱き方が出来ているか観察します。一度の授乳でどれくらい母乳を飲むことが出来たか計測し、およそ1日の母乳量を推定、赤ちゃんの月齢と体重を参考にしながら必要な母乳量を飲むことができているか判断します。また、ミルクを足しながら母乳を飲ませているばあい、ミルクの量が多すぎていないか、または少なすぎていないか判断します。生後3ヶ月までの赤ちゃんは、およそ1日体重1kgあたり150ml程度授乳すれば順調に体重が増えます。吸い方や抱き方に工夫が必要な場合は、赤ちゃん人形と乳房模型を使ってお伝えします。また母乳分泌量を増やす必要があれば、授乳回数や授乳方法の工夫を提案します。
医師は赤ちゃんが元気に発育しているか診察します。体重増加の見守りが必要と判断した場合には再診の時期を検討します。(生後2ヶ月までで体重増加が1日20g以下である場合には、医師の診察と授乳支援が必要です)
様々な工夫をしたのちに、さらに母乳量を増やす希望があればドンペリドン(保険適応外)を処方することもあります。

 

◆授乳時間が長い・乳房を離すとすぐに泣く
赤ちゃんが欲しい分だけ母乳が飲みとれていない可能性があります。うまく母乳が飲みとれるように吸わせ方や抱き方を工夫する支援を行います。

 

◆赤ちゃんの吸い付きが良くない・授乳をいやがる
乳房トラブルがある(乳首に傷がある・授乳するときに違和感や痛みがある・乳腺炎を繰り返している)
赤ちゃんの吸い方が浅い可能性があります。浅い吸い方に慣れてしまうと母乳がうまく飲みとれずに授乳量が減ったり、乳腺炎の原因になる可能性があります。直接授乳を観察し、吸い方や抱き方に工夫が必要な場合は、赤ちゃん人形と乳房模型を使ってお伝えします。発熱を伴う乳腺炎が起きている場合には、医師から薬を処方する場合もあります。

 

◆その他の相談例  
お母さんが薬を処方されたが、授乳を続けてよいか迷っている
母乳がたくさん出て困る(赤ちゃんが飲みづらい お母さんが苦痛を伴う)
早産のお子さんの授乳について
ダウン症候群のお子さんの授乳について
双胎(ふたご)の授乳について
授乳と離乳食のバランスについて
搾乳について
職場復帰の相談
卒乳の時期や方法について